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“選考”の意味を考えたら人事が「欲しい」と思える学生が分かる

“選考”の意味を考えたら人事が「欲しい」と思える学生が分かる
AI就活サポたくん

就活生のみなさん、こんにちは。

僕は人事採用を1年中やっている人なのですが、色々な学生からあらゆる質問を受けます。うちの会社を受けない学生とも雑多なテーマで話すことを毎日のようにやっています。

その中で出てきた質問に対して、1人の人事担当者として思うところをお伝えしよう、というテイストの記事です。

さて、まずは(一応)6月から選考が開始されるということで、最近よく聞く質問

「選考はいつから始まるんですか?」について。

 

そもそも選考はいつから始まるの?

結論から言うと、もう始まっています。というか、だいぶ前から始まっています。もちろん企業によって開始するタイミングは違いますが。

あと、経団連の指針というものがあって、そこでは6月1日以降にするように言われていますが、経団連に加盟していない企業はそもそも守る必要はありません。ただ実はこの「選考」は、「開始時期(卒業・修了年度の6月1日)より前に自粛すべき活動は、面接と試験のみとする。」と指針の手引きによって明文化されています。

逆に言うと、経団連加盟企業であっても「面接と試験以外」の選考はやって構いません。

と、ここまでがタテマエ。

 

ここからはうちの会社のお話。

うちの会社の選考は僕が担当していますが、その選考は出会ったタイミングから始まっています。もっというと、出会う前のメッセージのやり取りから始まっていることもあります。このあたりは採用の本質を考えたらわかるんじゃないかなと思います。

 

人事目線で考える面接やSPIを行う意味

会社は自社の現在及び未来の仕事をできる人を採用したいと思っています。だから、筆記テストの点数が高い人がほしいわけでもないし、面接の評価が高い人をほしいわけでもありません。

その企業で活躍する人が「テストの点数が高い」なら筆記テストで試験をするでしょうし、面接の評価が高いほど面接の比重は上がるでしょう。

企業がやっている採用活動はボランティアではなく、企業の事業活動における戦力を確保するための活動です。

 

だから、選考というのは、企業が採用をするために人物を見極める全てのことを指すと僕は思っています。広い意味での選考ですね。そう考えると、選考は出会った瞬間から始まっているんじゃないかなと。

 

面接は建前?意外な採用基準とは。

学生からよく「面接で何を見ているんですか?」という質問を受けます。

僕はそのときに「面接以外の全て」と答えています。もちろん面接で話したことは聞きますが、そうではない様々なことも選考対象になります。

他社では、受付担当の社員や部屋まで案内した社員に「どんな人だった?」って選考官が確認する会社もあります。これは学生のあら探しをしようとしているのではなく、その人の素の状態が知りたいからやっていることです。

なぜそこまでやるのかと言うと、見えているところだけちゃんとやる人は仕事で高いパフォーマンスを発揮してくれないことを知っているからです。

 

そういう話をすると「人事ってこわい」って学生から言われますが、そんなにこわくありません(笑)。いわゆる「当たり前」のことを当たり前にできるかどうかを見ているだけです。もしくは、その人が無意識にやることを見ることで、その人が自社の仲間として相性がいいのかそうでないのかを見ています。

 

人件費って定年まで働くと、3億ぐらいにはなると言われています。あまり活躍せずに昇進しない人でもそれぐらいのコストがかかります。そりゃ、面接以外の全ても見るでしょう。

 

面接内容は入社してからも覚えている?

「全て」というとどこまでかと思うかもしれませんが、本当に全てです。知っている情報の全て。僕はだいたいこんなことを覚えています。

 

  • いつ出会ったのか。
  • すぐに連絡をくれたのか。
  • 連絡に対して返事はあったのか。
  • どのイベントに来たのか。
  • どこに座ったのか。
  • 誰と話をしたのか。
  • 自分から話しかけたのか。
  • 休憩時間をどう過ごしていたのか。
  • 懇親会は来たのか。
  • そこでどこにいたか。
  • そこでは誰と話をしたか。
  • なんの話をしたか。
  • その後の連絡はどんな文章でどのような内容だったか。

 

見抜こうとしていなくても、これぐらいのことを自然と覚えています。その人が無意識にやってしまう行動が、うちの会社で活躍している人と似ているのか、活躍していない人と似ているのか。

活躍していない人と似ているようであったら、入社してもらうとお互いにとって不幸だなと思っています。

 

就活=恋愛?会社選びの意識の仕方

 

就活と恋愛や結婚は似ていると言われますが、僕はまさにそうだと思っています。

教育で成長してもらうことも大事だし、お互いに高め合うことも大事。でも、自分が大事にしているものをその人は大事にしてくれないと、どれだけ美男美女でも付き合ってうまくいくことはありません。

そして、みんなそんなことを知っているから出会ったときから、「この人はどんな人なんだろう?」って見るわけです。

外見だけで付き合う人は割と少数派だと思います。それと一緒。そして、それは学生もやっていると思います。恋愛じゃなくて会社選びで。

 

会社を何で選んだのかを学生に聞いていると面白い回答がいっぱい出てきます。『人事の人柄』と答える学生が多いですが、会社ですれ違った人がどんな人かを見ている学生もいます。

会社のビルの前でずっと張り込んで、何時ぐらいに何人出てきてどんなことをしていたかというストーカーみたいなことをした学生もいました。

正直、気持ち悪いです(笑)。でも、その学生は本当にその会社のことを知ろうとしているんだろうなって思います。

事前に思っていたほどじゃないこともあるし、イマイチだなってこともいっぱいあるでしょう。そして、それを含めて「この会社」って言ってくれるとこちらとしては安心できるなって思います。

結婚する前にある程度付き合った方がいいのと同じ理論です。

 

まとめ

僕が学生のときに思っていたことは、「面接で何がわかるのか」というもの。

やってみると意外にたくさんのことがわかるのですが、それでもその人の全てがわかるなんてことはありません。

本当にその人がどう思っているのかとか、その人自身も気付いていないような考え方のベースはどこにあるのかとか。

人が見ていないところでどんなことをする人なのかとか。何にテンションが上がって、何に没頭するのかとか。

口で言われるよりも、本当にやっているところを見る方がよっぽどわかります。面接でわかることもありますが、面接で全てがわかるなんて傲慢。僕は人事をしていてそう思っています。

30分程度の面接ではわかりません。

だから、出会ったときから「この人だ」って決めるその瞬間まで全てを見ます。

可能な限りの情報を手に入れて、その人のこれからをその人以上に考える。小さい子どもを持つ親のように、その子以上にその子の将来を考えるのが人事です。だから、すべてを見ようとするし、些細なことも覚えています。

 

人の気持ちが分かる人間になる。

人事も人間ですから、挨拶や礼儀がある学生に対して好印象を抱くのは考えるまでもないですね。当たり前のことを当たり前に出来ない人と一緒に働きたいとは思えません。

つまり、学生はどうすればいいかという話ですが、僕は自分が素敵だと思うことを当たり前にできるようになればいいと伝えています。

 

友だちからLINEが来たら、なるべく早く相手が喜ぶように返す、とか。
家で家族と話すときに、家族が喜ぶような話題は何かと考えてみる、とか。
挨拶をさわやかにやる、とか。
電車で一歩奥につめる、とか。
席を譲る、とか。
飲み会の幹事をする、とか。
困っている人を手助けする、とか。

そんな、日々起こることに対して常に自分が思うベストを尽くしていく。ただそれだけでいいと僕は思っています。

そして僕も含めて、これらのことが完全にできている人などほぼいません。

 

できる人を採用するのが人事の役割ですが、その一方で「いいやつ」とも働きたいって思います。

僕がいう「いいやつ」とは、さっき言った「当たり前のこと」をさらっとやってしまう人のこと。いいやつなんて、面接じゃなくてもわかります。だから、出会った瞬間から選考は始まっているんだということ。

今までの自分の当たり前が出るのが就活。そう思うとこわいかもしれないけど、そんなに特別なことでもない。

 

「選考だから」という考え方をしない

「選考だから」とか「選考じゃないから」とか関係ないなって思います。

選考だからちゃんとやる、そうじゃないからやらない。そういうものではない。そして、そういう人は仕事の種類を問わず信用できないなって思います。みんなもそう思うんじゃないかな。

自社を受ける学生だから親切にやる。自社を受けない学生は邪険に扱う、無視する。そんな会社は自分が受けるとしても嫌なんじゃないかなと。同じように僕たちも学生のことを見ています。

ずっと選んでいます。そして、選ばれています。それは学生も会社も人事も一緒。だから1つ1つの行動を、自分が思う素敵な状態にもっていけばいいと僕は思っています。

小さいことも大事にしていってください。その小さいことの積み重ねが仕事だし、人生です。そして、選べる人になっていってください。

 

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

あなたの就活、だけじゃなく人生が素敵になることを楽しみにしています。

また、キャりんくでお会いしましょう。

 

松永でした。