面接官が就活生の辛かった経験、失敗談を知りたい理由と答え方のコツ
面接で、「今まで辛かった経験や失敗談はありますか?」と聞かれたら、どのように答えますか?
困難を苦労して乗り越え成長した経験というのは、自分を売り込む上で、誰しもが面接官にアピールしたい話の1つです。
上手くアピールができれば、面接通過に大きく前進することでしょう。
ここでは、質問の理由とその答え方について、ご説明していきます。
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なぜ失敗・苦しい経験・辛い経験を面接官は質問してくるの?
なぜ面接官は、就活生の失敗・苦しい経験・辛い経験を質問するのでしょうか?
3つの観点から分析します。
困難を乗り越える力が重要だと考えているから
辛いこと、困難を乗り越える力は、仕事をするうえで良い結果を生む可能性があります。
失敗は誰にでもあるものです。
どれだけ優秀な人物でも、成長のために乗り越えなければならない壁にいつかは対峙することになります。
その失敗に対峙した時に、どう乗り越えることができるかが大切です。
例を挙げてご説明しましょう。
ある企業に採用された1人の優秀な人材がいます。彼は、学業やアルバイトで常に優秀な成績を修めてきました。
これまで大きな失敗を経験したことはありません。
会社勤めている間も順調に成果を上げた彼は、30歳になる頃に仕事で初めての失敗をします。それは、他の人なら乗り越えられるような小さな失敗でした。
けれど失敗を経験したことがない彼にとっては、自分のプライドが傷つく大変な出来事です。
その結果、彼の精神は崩壊し、ついには出社すらできなくなってしまいました。
このような事例が、実際に会社で起こっています。
企業としては、せっかく育てようと思った人材に、成長の過程で挫折して退社してほしくないのです。
そのため、あらかじめ採用前の段階で、就活生の辛かった経験や失敗談を聞き、彼らのストレス耐性を測ります。
常に困難を乗り越えて成長していく人材が、現場に求められています。
失敗談は真実に近い話が聞けるから
失敗談は盛りにくく、真実に近い話を聞くことができる可能性が高いです。
自己PRや成功談は良いことを話すので、どうしても話を盛り上げようと大げさになってしまいます。
しかし、苦い経験である失敗談は、話を盛ることはあまりありません。
企業としては、「就活生が実際に何をしてきたか」「本音の部分でどう感じたか」を、できるだけ具体的に知りたいと思っています。そうすることで、就活生の人となりが把握できるからです。
人間味のある話になりやすいから
辛かった経験や失敗談は、人間味のある感情がこもった深い内容になります。
また、そこからどのようにして立ち上がったかを説明する時にも、気持ちがこもった口調になりやすいです。
企業としては、就活生の人間性を判断する絶好の機会となります。
失敗経験を面接官に魅力的に伝えるコツ
失敗経験を魅力的に伝えるためには、どのようにすればよいでしょうか?
ここでは、答え方のコツとして、3つのポイントを提示します。
失敗経験は笑顔で語らない
失敗経験を話す時は、笑顔ではなくその時の感情に合った表情で話しましょう。
失敗談を語ることは、面接の中で唯一といっていい程、堂々とネガティブな内容を話せる時間です。
辛い顔、怒った顔、真剣な顔を存分に使える場所なのです。
自己PRや志望動機など、ほとんどがポジティブなことを話す面接において、ここでの表情は結構見られています。
失敗談を笑顔でニコニコ語っても、中身に重みを持たせることができません。
話により臨場感を加えられるよう、語るときの表情に注意しましょう。
失敗経験の概要で話を区切り、面接官の顔をチェックする
失敗経験の概要を説明した後、その後の行動や結果を一気に説明してしまわずに、いったん話を区切りましょう。
失敗談は、その後の行動や結果を説明することで、自己PRへつなげることが容易です。全部を一気に語ると、話が一方的になりすぎてしまいます。
そのため、失敗経験の概要まででいったん話を中断して、面接官の「その原因は?」「それでどうなりました?どう克服しました?」のような質問を待ちましょう。
質問に返答を返すという流れをつくって、スムーズなコミュニケーションを演出するわけです。
仮に、「そうですか。分かりました。」のように話が終わりそうになったら、「その後ですね、」というように、その後の話を続けても不自然にはなりません。
少し難しいテクニックですが、この間を作るかどうかで、面接官の印象は違ってきます。
会話のキャッチボールが重要視される、一対一の面接の場合は特に有効な手段です。
面接官の反応や質問を待って話を続けるようにして、プレゼンのような雰囲気にならないように注意しましょう。
PDCAを意識した構成にする
PDCA とは、Plan・Do・Check・Actionの頭文字をとった略語で、ビジネスにおいて必須ともいえるスキルの1つです。
実際の仕事においては、どんな業務においても常にPDCAサイクルを回すことが重要です。
取った行動とその結果を、毎回きちんと分析して改善につなげることが、業務の質を上げることにつながるからです。
面接では、どのように「PDCAを意識した構成」をアピールするのでしょうか?
計画と実行の後に、失敗した理由の分析や振り返りを怠っていないかが重要なポイントです。
失敗の理由を環境によるもののみに留めず、「こうしていれば防げたかもしれない」という観点を持ちましょう。
また、Actionの説明、つまり改善した内容の付け加えも忘れずに添えましょう。
具体的には、分析の結果から考えられる改善点を論理的に説明するようにします。
PDCAを意識した構成で失敗談を話すことで、実際の仕事においても同じように分析と改善を繰り返すことができる人材だとアピールすることができます。
面接官が好きな失敗談の答え方事例
ここでは、面接官に好まれる失敗談の答え方をご紹介します。
始めに、失敗談の概要を話し、いったん中断の後に行動と結果を説明します。
失敗談の概要
所属している大学のテニスサークルで、新入生の見学会勧誘に失敗した経験があります。
私は、できるだけ多くのメンバーを集めたいので、とにかく多くの新入生に直接声をかけて、見学会への勧誘をしていました。
しかし、見学会当日に集まった新入生は、わずか2人だったということを経験しました。
失敗談のその後の行動と結果
私は、失敗を分析するために、先輩や周りの学生に相談しました。すると、新入生に直接声をかける回数が多すぎたことが判明しました。
上手くメンバーが集まった他のサークルでは、SNSなどを活用して、多くの新入生へ情報を発信していたことも分かりました。
強引な勧誘ではなく、新入生側から進んで行きたくなるような魅力のあるプレゼンテーションが必要だと気付きました。
そこから私は、目の引くようなデザインの画像や動画を作成して、毎日SNSでサークルの活動を発信しました。
その結果、最終的に、18人の新入生をサークルのメンバーに加えることができました。
失敗談の話し方や表情の作り方まで気を配る
ここまで、辛かった経験や失敗談を質問する理由と、答え方のコツ、事例をご紹介しました。
話の内容だけでなく、話し方や表情の作り方まで気を配ることで、面接官へ好印象を与えることができます。
是非、この記事の内容を実践して、周りの就活生に差をつけましょう。