「インターンに行く意味ない」現役サラリーマンが言う理由とは?
現在、社会人として働いている現役サラリーマンの中には、
学生に対して「インターンに行く意味はない」と、進言する人が少なくないようです。
でも、なぜそんな言葉をなげかけるのでしょうか。
今回は、現役サラリーマンが「行く意味がない」というその理由について深堀りしていきます。
これからインターンへのエントリーをする方は、ぜひ、その理由について知っておいてください。
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企業によって違う!学生インターンに見せる姿
インターンというと、企業に入って学ぶ、働くというイメージがあります。
その中では当然、「企業について深く知ることができる」と思っている学生も多いでしょう。
でも実際は、インターンとして職場で働いたとしても、企業の本当の姿には気づけないことが多いのです。
例えば、企業は学生インターン専用のセミナー、プロジェクト、仕事を与えることが多いです。
研修においても学生向けに、とっつきやすく面白いプログラムが組まれます。
企業はより多くの学生に採用試験を受けてほしいため、学生受けのいいセミナーやプログラムをセッティングしがちです。
それが“社会人の現実”だと思ってしまうと、入社後のミスマッチに繋がりかねません。
入社してから会社に絶望してしまうこともあります。
入社した途端、業務や環境が変わることも
就業型のインターンで長年働けば、会社の体質に気づくはず……。
そう思うかもしれませんが、正社員になれば業務内容も変わります。
インターンのときとは比べ物にならない業務量を与えられたり、自分がやりたいこととは違う部署に回されたり……。
職場のイメージがガラリと変わってしまうこともあるのです。
また、インターン時代の上司は、学生インターンと接することに慣れています。
しかし、配属部署の上司は、学生インターンとの接点がなく、教育などに慣れていない可能性もあります。
部下の教育になれていない人物であれば、何かしらの衝突やストレスを感じることもあるでしょう。
まるで同じ会社とは思えないほどの、環境の差を感じることもあるかもしれません。
学生としての時間は貴重……今しかない!
社会人になると、毎日、仕事の連続です。
「月曜日が憂鬱」という社会人の多くは、毎日が仕事でいっぱいになり、退屈さやマンネリを感じています。
仕事量が多ければ、プライベートを楽しむ余裕もなく、仕事一色の毎日になるでしょう。
学生時代は、インターンだけでなく、ゼミでの活動やサークル、趣味などに勤しんでいたのではないでしょうか。
時間を自由に使える学生時代は、学生時代にしか味わえないものです。
社会人にとっては、学生時代は夢のような日々――。
勉強はしなければいけませんが、社会人に比べれば自由があります。
現役サラリーマンが「インターンは必要ない」と発言する裏には、
「学生のうちに、自由な時間を楽しんでおけ」という思いが込められています。
今を楽しんでも、十分に就職はできるという意味です。
もちろん、学生インターンというのも、学生のうちにしか挑戦できません。
でも、「周りがインターンをしているから」という理由で学生インターンに参加するくらいなら、
自由な時代を自由に過ごしてもいいのではないでしょうか。
会社が正しい評価をするとは限らない
学生インターンを経験したからといって、必ずしも就職に有利になるわけではありません。
確かに、あなたの頑張りを会社が認めてくれれば、就職には有利です。
しかし、あなたが結果を出しても、いいプロセスを踏んでプロジェクトを成功に導いても、
会社が正しく評価してくれるとは限りません。
直属の上司がいい評価をしてくれていても、最終面接まで進んだとしても、
まれに、執行役員たちの鶴の一声で内定者が決まることもあります。
長年愛着を持って働いてきたインターン先に、お断りの連絡を告げられることもあるのです。
どんなに頑張ったとしても、正当に評価されるとは限らない……。
「そんなに頑張っても、就職できるとはかぎらないよ」ということを、老婆心で伝えているのかもしれません。
確かに、インターン先へそのまま就職が決まるケースは少数です。
インターン先=就職先と強く意識しすぎると、後々落胆することになりかねません。
行っても意味のないインターンも存在するから
インターンといっても、その形態はさまざまです。大きく分けると短期・長期と、期間で2つに分けられます。
例えば、一番短いインターンは「1Dayインターン」というもの。文字通り一日だけ行われるインターンです。
1Dayインターンというと、職場体験をイメージするかもしれません。
でも実は、その内容は「会社説明会」……。
グループワークやワークショップなどが開かれることもありますが、多くは会社のプロモーションイベントです。
もちろん、1Dayインターンでもインターンには違いありません。
そのため、インターンの経験数を競っている人にとっては、メリットもあるでしょう。
履歴書に書けることがあるのは、どんなことでもアピールにはなります。
しかし、最近ではこのような実態があることを、企業は認識しています。
そのため、インターンを経験した数よりも、その内容を重視する企業も増えているのです。
面接などでも「プロジェクトにどのように貢献したのか」「今後に活かせる経験はあったか」など、
具体的なインターン経験を尋ねられます。
1Dayインターンへ参加しただけでは、答えられる内容ではありません。
現役サラリーマンは、今まさに難しいプロジェクト課題に取り組んでいます。
本当に必要なのは、インターンへ参加した数よりも、
何を経験したか、
身につけたか、
会社へ貢献できるのか
ということを知っています。
だからこそ、学生たちに向かって「インターンに行く意味はない」と進言するのでしょう。
「行く意味ある」インターンにするために
やみくもにインターンへ参加しても、いいことはありません。
インターンも就職活動と同じように、どんな企業を選ぶかはきちんと選ぶ必要があります。
もちろん、学校が紹介してくれた先へ、派遣されるように行くケースもあるでしょう。
でも、自分で選べるのであれば、ある程度精査する必要があります。
チェックポイント①OB訪問で企業を知る
学生や学生インターンは、企業にとってはお客さんです。
どんな企業でも、いい顔をしている可能性があります。
もし、インターン先が気に入ったのであれば、OBやOGを訪問しましょう。
それも何回か訪問し、疑問点や不安点を潰しておきます。
親しくなれば、通常の採用担当者からは聞き出せなかった、会社の様子も教えてくれるはずです。
チェックポイント②口コミ情報などを参考にする
インターン先でどんなことが経験できるのか、社風はどうかなど、最近では口コミサイトで調べられます。
口コミは主観で書かれているため、すべてを鵜呑みにはできません。しかし、参考にするのは悪くないでしょう。
就活以外のことに「行く意味」を感じてみる
インターンシップは、就職だけに役立つものではありません。
学びはもちろん、出会いもいっぱいあるでしょう。
それらは、今後の人生に広く役立つことかもしれません。
たとえ就職はできなくても、インターンへ行ってよかったと思える取り組みをすべきです。
他の現場でも役立つ普遍的な学びであれば、現役サラリーマンたちも「インターンへ行く意味はある」と進言するのではないでしょうか。
場合によっては、インターンへの参加ではなく、ボランティアや留学などが役立つこともあります。
自分の将来と向き合い、本当に必要な経験を、学生時代にできるように行動していきましょう。