【入門編】通年採用ってなに?私たち学生にメリットはあるの?
「通年採用」という言葉は聞いたことありますか?
言葉の意味としては企業が年間を通じて採用活動を行うというとてもシンプルなものです。
日本では現在、この通年採用をめぐって就活市場が変化しています。
今回は日本の新卒採用制度に触れながら詳しく解説していきます!
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通年採用とは
通年採用っていつから本格的に新卒採用に導入されるんだろう?
と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。
結論からいうと、現在は「移行期」です。
新卒一括採用からの変化について詳しく解説していきます。
また、実際に通年採用を実施している企業名や特徴についてもご紹介します。
新卒採用の変化
現在の日本では新卒一括採用が取り入れられています。
経団連が就職活動のスケジュールを定め、ルール化しています。
一番最初は1982年に「就職協定」が結ばれたのが始まりです。
(引用:日本経済新聞)
その前から以下の画像のように就活ルールは見直し・変更をくりかえし、
3年生の3月1日に説明会を解禁し、4年生の6月1日に面接を始めるという現在の形になりました。
しかしそのその役割は段々と形骸化していました。
そんな中2018年に経団連は2021年度以降の新卒一括採用を廃止すると発表されました。
同時に、今後は経団連に代わって政府が主体となって就活の仕組みづくりを行うと提言されています。
しかし突然変更になることは学生の混乱を招くとし、当面は現在の就活ルールが適応されることになりました。
ただ、通年採用を推進する動きは高まっており、その影響で就活の早期化が加速しています。
今後、通年採用に移行していく企業は増加すると予測できます。
通年採用はどのくらい導入されている?
では、実際に通年採用を取り入れている企業はどのくらいあるのでしょうか。
株式会社ヒューマネージ 様が通年採用に対する意識調査を行ったところ、以下のような結果が出ました。
◆「通年採用」に関する企業アンケート調査
対象:新卒採用を行っている企業の採用担当
実施期間:2019年8.9月
有効回答数:361
既に実施している |
8.5% |
実施する予定 |
4.8% |
検討中 |
36.0% |
情報収集の段階 |
37.7% |
実施しない/検討していない |
13.0% |
(引用:株式会社ヒューマネージ「通年採用」に関する企業アンケート調査)
通年採用を取り入れている企業は8.5%と10%に満たない数字でした。
一方で実施する予定又は検討中を含めると49.3%となり、今後実施する企業が増えていくことが予測されます。
学生は早期化のみならず通年化されることも頭に入れておく必要があるということです。
通年採用を導入している企業とその特徴
続いて、現在通年採用を行っている企業とその特徴についてまとめていきます。
そもそも経団連に所属していない企業(主に中小企業やベンチャー企業)などは、就活ルールが適応されていないため、通年採用を行っている企業は多くあります。
更に大手企業でも通年採用導入の流れは高まっています。
そしてメガベンチャーと呼ばれる有名企業でも取り入れている企業はあります。
他にも、外資系の企業やエンジニア職などは通年採用を行っている場合があります。
今回紹介た企業はごくわずかですが、これら企業の採用条件に共通しているのは、応募を受け付ける学年を問わないということです。
※既卒でも30歳以下で新卒なら可能など、細かい条件の違いはあります。
つまり、通常の選考期間である大学4年生の春以外でも、大学1~3年生や4年生の夏以降でも選考を受けることが可能であるということです。
このことが示すのは、学年ではなく能力やポテンシャルを見て採用を行っているということです。
また、通年採用を導入している企業はグローバル化にも敏感であることが多いです。
理由は、海外では通年採用が一般的だということが挙げられます。
グローバル人材を求めている可能性が高いので、海外で働きたい人は必見です!
【学生】通年採用のメリット
通年採用を行う会社側としては、学年の幅を広げることで採用できる人材の幅を増やすことが出来るのが良い点です。
一方、選考を受ける学生にとっても通年採用になることのメリットはあります。
今から主なメリットを3つ挙げていくので是非参考にしてみてください。
早くから内定を獲得できるチャンスが得られる
通年採用なので、周りに合わせることなく早い段階から選考を受けることが出来ます。
大学三年生のうちに内定を得れば、その先卒論や研究などの学問に打ち込める時間も長くなるのでメリットと言えるでしょう。
自分の目指すものが決まっていたり、自分の強み弱みをしっかり理解できていたりする人には通年採用が向いているのかもしれません。
「納得内定」を目指しやすい
採用時期が決まっていると、その期間までに企業に出会わなかった場合エントリーすることすら出来ません。
しかし、1年を通していつでも採用を行っていると、精神的にも余裕が生まれ自分が納得するまで就活をすることが出来ます。
また、万が一内定を承諾した後に内定先との齟齬が生まれてしまった場合もやり直しがしやすくなります。
留学や休学をしやすい
新卒一括採用は選考の時期が決まってしまっていたため、3年次の留学は不利になると言われていました。
そのため、無理やり一年卒業を遅らせるケースもありました。
しかし、通年採用ならばその心配はいりません。
留学前に就活をすることも、留学後に就活を行うこともできます。
留学と就活の両立が容易になれば、可能性が広がりますね。
【学生】通年採用のデメリット
通年採用は人によって受ける時期がバラバラになってしまうので、企業側としては採用コストが増えるというのが通年採用の導入を阻む問題点となっています。
更に、学生側にも負担が増える面があるので紹介していきます。
デメリットを確認し、対策を考えていきましょう。
選考のタイミングが難しく、就活が長期化しやすい
先ほど少し触れたように、いつでも受けられるということは、裏を返すと自分でエントリーの時期を決める必要があるということです。
特に第一志望の場合は面接慣れしないまま早く受けすぎてしまうと、不完全燃焼のまま落ちてしまう可能性があります。
早くから企業に対する志望度を認識しておくことが大切であるため、結果的に就活が長期化してしまいます。
じっくり自分に合った企業を見極められるといった面ではメリットと言えるかもしれません。
しかし大学生活で大切なのは就職活動だけではありません。学生として学業や課外活動、アルバイトなどとの両立が難しくなるのは良くない点だと言えるでしょう。
採用のハードルが上がる
通常の新卒一括採用では、内定を多めに出しています。
採用期間が終わった後に大量の内定辞退者が出てしまうと、採用活動を再開するのは難しくなってしまいます。
しかし通年採用では、辞退者が出ても再び採用活動を継続できることや、比較的志望度の高い人がしっかり対策して受ける傾向があるため、合格ラインが上がってしまうのです。
更に、新卒一括採用ではポテンシャル採用がメインでしたが、通年採用ではスキル面を見ることも可能となります。
その為、選考の難易度が自然とあがってしまうことが予想されます。
更に、学年の垣根がなくなったことで単純にライバル数が増えてしまうという見方もあります。
今までより一層「自分に合った企業」を探すことが求められるのです。
通年採用企業を受けるときのポイント
通年採用を行っている企業を受けたいと考えている人は、まずこの2つを意識してみてください。
主体的に行動する
通年採用の企業に求められているのは主体的に動ける人材です。
つまり、自ら情報をキャッチし、行動に移すことが大切です。
- 自ら就活コミュニティに所属する
- 色んな人に話を聞きに行く
- 長期インターンで経験を積む
など、様々な方法があります。
おすすめなのは、就活に対する意識が高く自分より少しレベルが高いと感じるコミュニティに身を置くこと。
高すぎると苦しくなりますが、少しレベルが上の学生と話すだけでも刺激になります。
誰かから教えてもらうのを待つのではなく、自分でチャンスを生んで掴みに行くことが大切です。
自分の個性を活かす
通年採用を受けようと思ったら、はっきり言って周りと合わせていたら合格できません。
逆に、より深く自分の個性を理解し、言語化できるようにしておきましょう。
自己分析、ちょっと怪しいな…
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◆【就活準備】自己分析はいつから始めるべき?どれくらいの期間かかる?時期はいつ?
「即戦力性」を身につける
先ほども触れたように、潜在的能力や伸びしろを重視している新卒一括採用に比べ、通年採用では比較的スキル面が重視されます。
しかし、もちろんスキルのみを見て新卒を採用することはありません。
即戦力のみが必要ならば、経験値の高い中途採用のみを行えば良いからです。
特に、会社が急成長しているベンチャー企業や短期間で成果を上げることが求められる外資系などでよく重視されるのが「即戦力性」です。
高いポテンシャルに加えて入社後すぐには身に付けにくいスキル(語学やプログラミングなど)を持っていると有利でしょう。
新卒で入社する就活生にとってスキルはあくまで+αの要素だと思って大丈夫です。
まとめ
現在、就活の早期化と同時に通年化も加速しています。
私たち学生にとってメリットもデメリットもありますが、事実を知ることが第一歩です。
自分に合った就活をするためにも、通年採用について正しい知識を取り入れましょう。