学歴差別はあるのか?新卒採用における現状と対策
昔から新卒採用の世界では、学歴差別について頻繁に話題にあがります。
多くの学生が、学歴差別を気にしながら就活をしていたのではないでしょうか。
近年は、学歴差別をなくそうという動きが活発化し、以前と比べて少なくなってきました。
事実、ソニーは学歴不問を打ち出し、学歴ではなく真のポテンシャルをみて採用するということを1990年代にはじめ、採用の世界で大きな影響を与えました。
その一方、未だに日本の企業の採用には、学歴差別は根強くあるといわれています。
新卒採用の説明会に、一定以上の学歴がないと説明会に参加できないということが発生しています。
また、楽天が運営している「みんなの就職活動日記」で学歴差別を感じたことがあるか」ということをアンケートをとったところ、半数以上の方が「ある」と答えています。
そこで本編では、新卒採用における学歴差別の実態と対策についてご紹介をさせていただきます。
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学歴差別は昔からあった!学歴差別がある理由
学歴差別が問題視されることが多いにも関わらず、なぜいまだに採用の現場で学歴差別が発生しているのでしょうか。
まずは、その背景・理由についてお話をします。
優秀な人材を評価するのは難しい
当たり前ですが、新卒の学生には仕事のキャリアがありません。
そのため、「その人のポテンシャルをどうやって測るのか」という、明確なものさしもありません。
そんな中、学歴は偏差値という形で、定量的に優秀な人かどうかを測れる一つのものさしになります。
もちろん学歴が高い=優秀とは言えませんが、学歴が低い方より学歴が高い方のほうが優秀な可能性が高いという考え方です。
週刊誌で有名なAERAが調査した一部上場企業の社長の出身大学を集計したところ、一位が慶応大学、二位が東京大学、三位が早稲田大学となりました。
学歴というのは採用側にとって、一定の人材の質を担保するためにも押さえておきたいポイントなのです。
採用者を絞り込む判断材料
新卒採用というのは、非常に短期間で進めなければ行けません。
2018年の各企業における採用活動のスケジュールは、3月に新卒サイトがオープンし、実は4月中には大手企業の採用活動がほとんど終息していました。
つまり、新卒採用は事前準備があるものの、実質2ヶ月で採用活動が終了してしまうということなのです。
限られた短い期間で、しかも優秀な人材を採用しなければならないので、学歴で判断することが無難なのです。
実績があり再現性が高い
ある大手金融機関では、慶応大学と明治大学出身者が圧倒的に多いということがありました。
最近は大分希薄にはなりましたが、大学にはゼミ、サークル、部活など先輩、後輩といった縦のつながりが存在しています。
そのため、つながりのある先輩からのプロモーションがかけられますし、単純に知り合いのいる会社なら安心という新卒学生の心理も働きます。
また、採用実績校であれば、単純に内定が出しやすいと言うのもあり、特定の企業に特定の大学出身者が固まる傾向にあります。
学歴差別は正しいのか!?
では、次に学歴差別の正当性についてお話をしていきたいと思います。
学歴差別はある意味正しい!否定することはできない
学歴差別に対し批判的な論調がありますが、一概に「悪い」と判断することはできません。
会社としては優秀な人材に自社で働いてもらいたいと考えるのは当たり前で、会社には採用の自由があります。
また、学歴が高いということは、地頭が良いか難関大学に受かるだけの努力をしているかいずれかです。
少なくとも、学生時代何も努力をしていなかった人よりも、魅力的な人材であると判断されるはずです。
企業からすれば、学歴を見ずに人間性を見てくださいと言われても、なにかしら秀でた結果を出している人がいる以上、人間性としても高学歴の方が上だと評価するはずです。
学歴のみで人を判断することは時に誤っていることもある
高学歴と呼ばれる層には優秀な方がたくさんいるというだけで、学歴がすべてではありません。
学歴が高くなくても、何か経験値をもっていたり学校とは別の勉強をしていたりと努力しているところは評価されます。
逆に、いくら学歴が高くても、モチベーション、コミュニケーション力の低い学生は企業から評価されません。
自身の大学の偏差値が高いからと言って、それに胡坐をかく方は良い就職ができません。
学歴はあくまでも企業が効率よく採用を進めるためのフィルターの1つであるということを認識し、何がやりたいか何ができるかを明確にして就職活動を行いましょう。
学歴で劣る人はどうすればいいか!?大学生の過ごし方
自分自身が何をしたいのかを考えよう
学歴がどうだからここの会社が無理だ…と考える前に、とにかく自分が何がしたいのか、どういう社会人になりたいのかをゼロベースで考えることからはじめましょう。
就職活動を始めようとすると、「自分が何がやりたいのかわからない」「自分の強み何なのかわからない」という方もたくさんいらっしゃいます。
まずは、自分のやりたいことを見つけ、どの業界を志望するのかということをしっかり決めていく必要があります。
そのためには「自分自身」と「それぞれの業界」を知るということをしっかり行っていきましょう。
以下の点から考えていくとよいです。
- 営業として働くことを前提とする
- 個人相手、法人相手の仕事のいずれかをめざすのか考える
- 有形の業界、無形の業界どちらがいいのかを考える
- 自分の好きなものと労働条件から選ぶ
よく好きなことを仕事にしてはいけないと言われます。
それは、理想と現実とのギャップが生まれたときに耐えられなくなるからです。
とはいえ、好きなことややりがいがないと仕事は長く続きません。
「好きなこと」だけでは選ぶのではなく、好きなことを仕事にした際のデメリットなども調べる必要があります。
土日休みなのか、将来年収のあがる業界なのか、などありとあらゆる角度から自身の適性を考えましょう。
会社名には拘らない
目指す業界を選んだら、その業界のNo.1の会社に行きたいというのが心理ですが、そう簡単に行けるとは限りません。
それよりもまずは、自身の目指したい業界でキャリアを積むことを最優先に考えていきましょう。
転職市場は学歴より実績
会社にこだわらず業界にこだわるというのはなぜでしょうか。
業界下位の会社の場合は、年収が頭打ちになったり、そもそも製品が売りにくかったりといったディスアドバンテージがあります。
しかし、そこで成果を出せたらあなたの市場価値は一気に上昇します。
また、そんなに際立った成果を出せていなくても一定の経験値を持っていれば、業界内の転職は比較的容易に行うことができます。
もしも理想の就職ができなかったら、理想の転職ができるように経験を積む期間にすればよいです。
転職はしなくても、その会社で高いポジションを得られたら、下手に大企業に行くよりかえって年収は上がるかもしれません。
大企業がかならずしもベストではないですし、大企業に行きたいのなら同じ業界で活躍してから行くというシナリオを持っておくとよいのです。
ポータブルスキルを身に着けることはキャリアアップに最適
転職をする、しないにかかわらず、キャリア形成をするためにはポータブルスキル、すなわち特定の業種・職種・時代背景にとらわれないコミュニケーション力、調整能力、論理的思考力を身に着けることが必要です。
そして、これらは学生時代から確実に磨ける能力であるともいえます。
人の目を見て話す、簡潔に話す、清潔感をもった服装をするという基本的なこともポータブルスキルです。
当たり前のことを当たり前にできるような努力を、今のうちから行うことが未来につながります。
目指したいキャリアを積むためには、自分磨きも大切です。
学歴にとらわれない
学歴は新卒採用において、非常に重要です。
学歴があるなしで、選考の分岐点になってくることは事実です。
しかし、学歴が劣る方も目標設定と努力次第では、高学歴の方よりも良いキャリアを描けます。
何よりキャリアとは他の方と比較するものでもありません。
自分の好きなことや興味を持ったことを突き詰めた先に、結果がついてきます。
学歴が高い方もそうでない方も、自身が何をやりたいのかということを明確にし、そのキャリアが得られるよう就職活動を頑張っていきましょう。