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2018年5月30日

大学院と学部卒で収入はどれくらい変わるのか

大学院と学部卒で収入はどれくらい変わるのか

「大学院に進学するべきか、学部卒で就職するべきか」

大学卒業後の進路で悩んでいる人はかなり多いのではないでしょうか?大学院を出たほうが給料が高いという話はよく聞きます。しかし、実際に学部卒とどれくらい収入面に違いがあるのかは気になるところですよね。

具体的な収入の差がわかっていれば、進路についてもう少し考えやすくなるのではないでしょうか。

そこで今回は、大学院と学部卒でどれくらい給料に違いがあるのかを説明していきます。ぜひ、進路を決める際の参考にしてみてください。

学歴は収入に関わってくる

大学院卒と学部卒の初任給は、大学院のほうが平均的に高いというデータが出ています。多くの企業において、院卒と学部卒の学歴の差は初任給の高さに影響してくるでしょう。

では、実際にどれくらい違いが出てくるのか。具体的な金額でその違いを見ていきましょう

院卒と学部卒の初任給の差はいくらか?

厚生労働省の「平成29年賃金構造基本統計調査結果」を参考にすると、大学院卒と学部卒では初任給に3万円ほどの違いが出てきます。調査の結果を次にまとめました。

男女計大学院修士課程修了233400円
大学卒206100円
高校卒162100円

男性大学院修士課程修了233600円
大学卒207800円
高校卒164200円

女性大学院修士課程修了232400円
大学卒204100円
高校卒158400円

高校と大学卒は4年間で約4万円の初任給の違いが出てくるのに対し、学部卒と大学院卒では2年間で3万円の違いが出てきます。

かけた時間に関して言えば、大学院に行くのはコストパフォーマンスがいいのかもしれませんね。また、男性よりも女性のほうが、学部と院卒を比べたときに初任給の差が大きくなることも見て取れます。

院卒と大卒で生涯賃金に違いはでるのか?

院卒と学部卒で初任給に差があるといいましたが、生涯賃金はどの程度変わってくるのでしょうか。  

この問題に関して書かれている論文が、内閣府経済社会総合研究所の「大学院卒の賃金プレミアム」です。ここでは大学院卒の金銭的優位性を検証しており、その中で次のようなことが述べられています。

  • 大学院卒は学部卒に比べて生涯賃金が高くなる
  • 大学院卒の賃金は高年齢層になっても上昇する

男性労働者の場合、学部卒と院卒の年収を比べてみると、24歳の時点で大学院卒は年収が309万円、学部卒が325万円という結果になりました。

この時点では、早く入社した学部卒のほうが、年収が高かったのですが、その差は25歳で逆転し、52才になると約200万に差が広がったことがわかりました。

女性労働者はさらに差が大きく、65歳時点で300万円ほどの差が生まれることがわかりました。

なぜ院卒の年収が高いのか

大学院卒は学部卒よりも生涯年収が多い傾向にあることがわかりました。では、なぜ大学院卒は生涯年収が高くなるのでしょうか。

学部卒と年収が変わってくるのは次のような理由があります。

  • 専門知識が身についている
  • 企業の方針
  • 院卒は優秀な人が多いのではないか

大学院卒は2年間専門的な勉強をする分、学部卒の学生に比べて専門知識やスキルが身についています。そのため、会社内でもスキルの求められる仕事を振ってもらえる確率は高くなります。

専門的な知識は企業の中でも重宝されますし、スキルの求められる仕事をこなすようになればおのずと給料も上がっていきます。このように、2年間で培ったスキルが評価されることで給料が高くなります。

続いての理由が、多くの企業が学歴を基準に給料を決めていることです。

企業によっては大学院卒、学部卒によって昇進できる限界が決まっている場合もあります。より高い地位を目指すためには大学院を出ているというステータスがどうしても必要になってくることがあるのです。

また、院卒のほうが給料上昇の伸び幅が大きい傾向にあるため生涯年収が高くなることも一つの要因です。

大学院に進学する人がそもそも人材として優秀であることも考えられます。大学院に進学する人は推薦をもらって進学しているという人が多いですが、推薦をもらえるのは学科内の上位何パーセントと決められているケースが多いです。

もともとクラスの上位に入る頭を持っている人でしたら、学部で卒業していても院卒でも仕事で結果を残し、高い給料をもらっているかもしれませんね。

院卒、学部卒で就職先の数も変わる

院卒と学部卒は就職率も変わってきます。この点については、文経か理系かによる違いも大きく関係してきます。

例えば、理系は基本的に院卒のほうが就職しやすいといわれています。理系の学生には研究開発や専門スキルが求められるため、2年間じっくりと勉強した院卒の学生のほうが即戦力になると企業からは判断されるのです。

一方で、文系学生は院卒の就職率は低い傾向にあります。文系の学生は会社に入ってから仕事内容を覚え、柔軟な対応ができることを求められています。そのため、早い段階から就職して経験を積ませたいという考えの企業が多いのです。

また、学部で卒業するか、院卒で卒業するかで就活のタイミングも変わってきます。2年間で景気が変わり就職先の数も変わることも頭に入れておかなければなりません。

院卒が完全に有利とは言い切れない

初任給に関しても生涯年収に関しても大学院卒のほうが高いことが分かりました。では、学部卒で就職するよりも院卒で就職したほうが有利なのでしょうか。

これについては、はっきり院卒が有利と言い切ることができません。理由は次の通りです。

  • 学歴よりも仕事ができるかが第一条件
  • 企業によって給料形態が異なる
  • マンネリ化の危険がある

大学院に行こうとも、学部で卒業しようとも、仕事で結果を残すことができなければ意味がありません。たとえ学部卒でも次々と仕事をこなして信頼を勝ち取り、院卒よりも高い給料をもらう人はたくさんいます。

同じように、せっかく大学院を出ていても仕事ができなければ給料はなかなか上がっては来ません。大学院を卒業したから必ず学部卒よりも給料が高くなる保証は全くないのです。

また、企業によって院卒、学部卒の扱いも変わってきます。大手の企業では、院卒のほうが初任給や給料の伸び幅が大きい傾向にありますが、ベンチャーなどではそこまで差がないということもあります。

大学院卒の肩書の恩恵を得られないような企業に入った場合は、大学院の2年間と学費分のもとをとることができないかもしれません。

大学院に進んで大学生活が延びることで、マンネリ化が起きる危険もあります。

給料が高いという理由で大学院に進むとなれば、日々の大学院生活に目標を見つけられず、怠惰な生活を送ってしまうかもしれません。そうなれば、学部卒で社会人経験をしている学部卒の学生に大きな差をつけられてしまうでしょう。

まとめ

大学院は生涯賃金の平均が高いというデータが出ていますが、もちろんすべての企業に当てはまるわけではありません。

前述しましたが、あくまで企業として社員に求めることは、会社に利益をもたらしてくれるかどうかです。その点において、社員が学部卒か院卒かは関係がありません。

そのため、進路を決める際は、会社で活躍するために最適な道なのかを判断基準に入れるべきでしょう。

学部で就職して早いうちから社会経験を積むのも、大学院で知識を深めてから就職するのも間違いではありません。進路を決める際は、何のためにこの進路を選んだのか?ということを必ずはっきりさせるようにしましょう。